19世紀後半、あるフランスの宮殿に住む1人の伯爵。レオン・レーヴ。彼は輝くものを愛していた。
もの、芸術、人、概念。輝いていれば、それはすぐ伯爵の手元に送られ、伯爵の宮殿は常に新たな輝きの中にあった。他には変え難い喜び。心が踊り、幸せに満たされ、ああ生きていてよかったと心から感じられる、唯一の瞬間。伯爵はこのワクワクを求める生活を気に入っていた。
そしてついに、伯爵は未来が見える鏡を手に入れる。自らの好奇心に忠実な伯爵は、未来にはどんなキラキラしたものがあるのだろうと心を躍らせた。しかし、伯爵はなかなかそれを見つけられない。伯爵は執事に聞いた。「未来の輝きは、一体どこへ行ってしまったんだ。」と。
すると執事は答える。「どこへも行っていませんよ。この世界は昔も今も未来も、輝きで溢れています。ただ、未来では、少しだけ隠れるようになってしまったんです。輝かしいものたちが。見つけるのがなかなか難しいもので。」伯爵は少し考えて言った。「仮面舞踏会を開こう。」
伯爵がまだ幼いころ、父親の知り合いが開催した仮面舞踏会に連れられたことがあった。美しい建築の会場、絢爛豪華な装飾、思い思いの衣装に身を包み、柔らかく交わされる会話とワルツの誘い。仮面の下にわずかに見える笑顔。思えば、これが伯爵の輝きへの目覚めの瞬間だった。そこには、執事に頼むだけでは得られない、一度きりの、溢れんばかりの輝きがあった。
未来の輝きが、隠れているだけなのであれば、彼ら彼女らが堂々と出ていけるような、出会った輝きが互いをさらに輝かせるような、舞踊会を開催すればよいのだ。普段の己など忘れてしまえるように、仮面を被って。伯爵はこっそりと街に出ては、内なる輝きを持つ若者を探し、鏡を通して招待状を送った。自らが作った輝く宮殿で、彼らが自分と同じように心を踊らせ、幸せに満たされ、ああ生きていてよかったと感じてくれることを願いながら。そうすればきっと、世の中の輝きが、また顔を覗かせてくれると信じたのだ。
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